水汲み、薪割り、牛運び!?新郎の愛とタフさが試されるフィリピン結婚式事情

誰かに恋をして、時間を共に過ごして、いつかは正式に家族になる。
独身人生を満喫する人たちがいる一方で、「結婚」という言葉に憧れを持つ人もまだまだ多いのではないでしょうか。

今回は、フィリピンの「結婚式」にまつわる話をAnnaとSharmaineに聞いてみました。

ーーということで、今日のテーマは「結婚式」です。よろしく!

Sharmaine:ワオ、すてきなテーマね。
Anna:よろしくね

フィリピンの伝統的な結婚式準備期間

ーー結婚するとなったら、まずプロポーズして、お互いの両親に挨拶をして、入籍して…という流れが日本では一般的だけど、フィリピンではどうなの?

Anna:フィリピンでも似たようなことをするよ。まあ、最近の人たちは色々省略したりもするけど。Sharmaineの家は伝統を大切にしているから、面白いと思う。
Sharmaine:そうね、まずはサユッド、それからバニマライを経て、結婚式の予定を立てるのが伝統的な流れかしら。

1ヶ月間の試練、試される新郎

ーーサユッドとかバニマライって?

Sharmaine:サユッド(sayud)というのは、結婚に同意してもらうために新郎の家族全員が新婦の家に訪れることを言うの。家族といったら両親だけではなくて、兄弟だとかいとこだとか、とにかく全員で行くのよ。

ーーそんなに大勢で行くの?笑 行って何をするの?

Sharmaine:びっくりした?笑 新郎新婦を祝福しつつ、みんなでご飯を食べるんだよ。そしてこのサユッドを終えてから1ヶ月間、新郎は毎日新婦やその家族のために水を汲んだり、木を切ったり(薪割りをしたり)、牛を運んだり、農場を手伝ったりして、自分が婿にふさわしく価値のある人間だということを証明するの。

ーーそれは相当大変だね・・・でも愛の証明にはなるかも。

Sharmaine:そして1ヶ月が過ぎたら、バニマライ(banimalay)。これはレチョン(豚の丸焼き)やフルーツなんかを持って、新郎とその両親だけで新婦の家を再度訪問することよ。そこで式の段取りを決めたりするのに色々話し合いをするの。

ーーあ、また新婦のお宅訪問があるんだね。…あれ?新郎新婦はこの時点で一緒に暮らしているわけではないの?

Sharmaine:ううん、まだだよ。それに、バニマライの後でもまだカップルは一緒に住めないの。一緒に住むのは結婚式を終えてからになるね。だからバニマライ前の1ヶ月のお手伝い期間も、花嫁の家に泊まれなくて片道4時間かけて通う人とかもいたよ。

ーー(ハッピーな話のはずなのに、なんだか新郎が気の毒になってきた)

日本の結婚式、フィリピンの結婚式

ーー日本だったら、結婚前のお試し期間みたいな感じで同棲するカップルも多いけど、全然違うんだね。

Anna:そうね。他にも、結婚式前夜は新郎は新婦に会っちゃいけないとか、新婦はウェディングドレスを試着しちゃいけないとか、結婚式までは遠い場所に旅行に行っちゃいけないとか、色々あるよ。どれも離婚やトラブルへ導くような縁起が悪いものとされているの。

ーーうーん、ウェディングドレスのサイズが合いませんでした~、なんてことが当日起きたら大変そう・・・。結婚式自体はどんな感じなの?

Anna:死ぬほど長い誓いの言葉を述べる以外は、日本のウェスタンスタイルの結婚式と似たような感じだよ。教会で誓いのキスをするの。

Sharmaine:その後に日本でいう披露宴みたいなものを2回やるのよ。1回目は親族だけを招いてホテルで、2回目は友人や会社の人たちを家に呼んで。ここで招待された側が余興をしたりもするけど、新郎新婦が参列者をもてなすためにモダンダンスをするのがお決まりね。

ーーそれ聞いたことある!新郎新婦のダンスの最中、周りにいる人がお金を洋服につけていくんだよね。

Sharmaine:そうそう。新郎の友人が新婦の衣装に、新婦の友人が新郎の衣装に、二人の幸せを願ってそれぞれお金をピンで留めていくの。

ーー日本でいうご祝儀みたいな感じかな?ちなみに、いくらくらいを渡すのが普通なの?

Anna:人によるね。笑 安いお札の人もいれば、高いお札を何枚もつける人もいる。あ、ほとんどの場合コインではあげないよ。その土地の風習にもよるけど、最低でもお札じゃないとダメかな。
Sharmaine:ちなみに、伝統的には結婚式費用は新郎側が払うんだよ。

ーー新郎の負担大きすぎない!!?笑

Anna&Sharmaine:笑

そして時代は移り変わる

Anna:「結婚式は花嫁のため」みたいな考えが少しあるのかもね。それに、ここまでの話はあくまで伝統的なスタイルだから。最近の若い世代だったら、日本みたいにプロポーズと入籍だけで済ませたり、結婚式費用は折半をしたりと、古いしきたりみたいなものは段々薄れつつあるかな。

ーー日本もそうだけど、フィリピンでも時代が移り変わってきているんだね。いやはや、誰かと家族になるっていうのはたゆまぬ努力と深い愛が必要なんだなって改めて思い知らされたよ。さて、今日のインタビューはここまで。Anna、Sharmaine、ご協力どうもありがとう。

Anna & Sharmaine:どういたしまして~

 

まとめ

・伝統的な風習にのっとると、花婿の愛とタフさが試される
・結婚式の主人公は花嫁
・最近は伝統に縛られない結婚式や準備が浸透しつつある

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Eriko
英語塾「エングリット」講師兼スタッフ。フィリピンの語学学校サウスピークへ留学を機に、英語/教育業界へ。現在ブラジリアン柔術にのめり込み、ジムへ足繁く通っています。